受験失敗でオタク加速



1.現実逃避の道具として
なんといってもこの世界にのめりこむきっかけは15の春に泣いた高校受験の失敗。よくも悪くも礼儀正しく規則を守り清く正しく生きていこうとしていた中で、体力では勝てず、唯一勉強でそうでない奴等との差別化を計る上で勝手に自分の中で根拠の乏しいちっぽけな優越感もすべてどどっーっと大崩壊。

【ホンマは卒業もこんなイメージだったのに・・・】

実際はORZ・・・

運動も駄目で体力も駄目、人間としても×、まあそこそこ人より出来るのは勉強くらいかなというのが当時の僕の自己評価だったから志望校不合格というのは背中に敗者、人間失格の烙印を押されたくらいのショックな出来事だったわけ。
教師の計らいで3月に別の公立高校の補欠試験も受けたがこれまた不合格。
まさに現実に直面し、自信なるものをすべて喪失した時期だった。

失意の中で滑り止めの高校に入学。大志も何も抱けなかった。単に屈辱の日々。同級生とも当然合わない。そりゃ合うわけない。今の高校を精一杯楽しむという発想は生まれなかった。そこでまず、この屈辱を埋めるためにクラスで1番を目指そうと思い、試験前は猛勉強をすることにした。おかげで特進クラスに進むことが出来、ここでようやく大学を目指す仲間たちと出会うことになるが、それは三年生の時だ。それまではこの精神的なむなしさを埋めるのにちょうど良かったのはMM模型とその模型を中心とした空想の世界。おおー!神は我にMM模型を与えたもうた〜てとばかり、逃げ込んだ。現実逃避としてこの世界にのめりこんだのである。

2.イメージ(妄想?)力を鍛える
通学が自転車だったことも幸い、いや災いした。なんせ、通学の間の時間をすべて妄想時間に割り当てることが出来たからだ。男子校で、しかも電車通学でもなく、ましては外見もイケてない、暗〜い感じ。もちろん髪型もダサダサ。実は当初はバスで通学していたのだが、同学年のマナーを守らない態度や席取り合戦に嫌気が差したこと、公共交通機関だと中学の同級生と遭遇する機会があり、制服を着ている姿を見られたくなかったことから早々と自転車通学に切り替えたのだ。これが妄想力増強に拍車がかかった原因である。

自転車をこぎながら頭の中は
「今度あの戦車を買おう、ワクワク、」
「我が軍団には補給車両が足りないから今度はイタレリのトラックを買おう」
とニヤリと考え、あるいは
自転車をこぎながら、歴戦のドイツ戦車長に変身し、
「距離800!正面!T34、つっこんでくる!撃て!」
と路上を走る車を勝手にT-34に仕立て上げ、頭の中で照準をし、88mm砲をぶっぱすのであります。BAKOOON!と小林源文先生ばりの効果音付きなのだ。

バイトをして出会いを求めるという発想もなく、唯一の資金源である小遣いはもうひとつの趣味(?)だった洋画鑑賞とMM模型にすべて費やしたおかげで、高校生のくせに自分で買った服はなんとゼロ。ゼロでっせ。世はバブルまっさかりで世間は浮かれまくり。男が女にもてようと努力していた時代ですわ。そんな時代もワシには関係ないとばかり、ひたすら模型屋に通ってプラモの箱を見つめながら妄想に浸る日々を過していた。


  
 
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