オタクのF君からの指摘でカミングアウト

三笠で火が付いた軍跡旅行は、しかしまだためらいがあった。(まだかよっ!)
当初はやはり人の目を気にして自衛隊施設のみに限定していたのである。自衛隊ならまだ現用のメカだし、所謂右翼だ左翼だの論議に巻き込まれないと考えたからだ。

日本には旧軍のスポットがたくさん残っている。舞鶴には日本海カニ旅行と称してあら!こんなところに海上自衛隊の港があるじゃないかと!とさも現地で気づいたようなふりをして家族を巻き込み、護衛艦に乗船してひそかに大興奮していた。(しかし、嫁はきづいていたようだ)

舞鶴港に停泊中のイージス艦妙高

そんなある日のこと。
パソコンオタク&三国志オタク
として社内でもすでに有名だった後輩F君と携帯のメールアドレスの交換をしたのである。彼のアドレスは信奉するロックバンドの歌手の名前の入ったアドレス名である。まあこれは理解されるだろう。こちらはドイツ空軍の戦闘機の名称である。だが、これまでアドレスを教えてこれが戦闘機の機体名とコード番号だと分かる人は誰もいなかった。だから今回も普通にアドレス交換をしたのである。そして数時間後。

「もしかして」という表題の一通のメールが着信。???なんだこりゃ。開いてみるとオタクのF君じゃないか。「●●さん(私の本名)のアドレスってもしかして××××のことじゃないですか?」「これは空冷タイプでしたっけ?液冷タイプでしたっけ?」

ななな!!!何故彼が知っているのだ???
しばらく理解できず。しかし次の瞬間気づいたのだ。

Focke-WulfDseries


ガビーン!ついにバレた!
ということを。しかも社内である。いままで隠しに隠しつづけてきた社内の人間にばれてしまったのだ。

ここまで来たらもう気分は「かくなるうえはカミングアウトでござる」状態。F君にはモジモジしながらいやあ・・・実はおれもミリタリーおたくでさあ・・・。

これが職場で公然とカミングアウトするきっかけとなったのである。パソコン&歴史オタクとは知っていたがまさかミリタリーに詳しいとは彼のそぶりではまったく気づかなかったのだ。彼も僕と同じように黙っていたらしい。私の携帯ストラップには舞鶴で乗艦した護衛艦のストラップも追加されていたので、F君に見せると大笑い。

ミリタリーオタクだったんですね。

これでもうすべて吹っ切れてしまったのだ。おかげでF君とはそれまで挨拶を交わす程度だったのに急に親密となり、その後は一緒に広島オタクツアーをするまでの仲になったのは言うまでもない。僕がカミングアウトをまだ見ぬ同志に勧めるのは身近にきっと共感してくれる仲間がいるよ!ということを実体験を通じて知り、そしていまの環境を楽しんでいる、その楽しさを分かち合いたいからである。


  
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