コンバットフライトシミュレータ(CFS1)との出会い



社会人になってもミリタリーオタクであることは公言せず、心の奥底にとどめ、また特に以前ほどの興味もわかず4年が経とうとしていたある日のこと。本社のあった名古屋の大須にあるパソコンショップ4階の展示コーナーに足を運んだ僕はその場から動けなくなってしまった。それがマイクロソフトが発売したコンバットフライトシミュレータ(通称:CFS)のデモ版だったのである。

Microsoft Combat Flight Simulator WW2 ヨーロッパ戦線シリーズ
なんだこれは!こんな面白いものが世の中にあるのか!慌てて動作仕様を調べると入社二年目にボーナス40万円を投入して購入したパソコンではなんと動かないことが判明。慌ててパソコンマニアの友人に指南してもらいながら自作のパソコンを組み上げ、そこに同じくマイクロソフトのフォースフィードバックProを接続し、CFSをインストールしたのである。

そしてソフトを起動すると、そこには超オタクの世界が待っていたのだ!

ハリケーンのコックピット

P51でドイツの編隊に挑む

撃墜!撃墜!撃墜!

まだまだポリゴンの、画質は荒いモデルだったが、当時仕事でいままで体験したことのないようなストレスを感じていた僕にはとっておきの気分転換の道具かつ現実逃避の道具になった。かくして、戦車にのめりこんだ時と同様に現実逃避として今度は飛行機にのめり込んだのである!

飛行機マニアであるオヤジから書籍をごっそり借りてMe109の性能特性を調べてどこまで再現されているかテストしてみたり、ファイルをちょっと書き換えてAIの機体を飛べるようにして楽しんだりしていた。こうなると次は日本軍の飛行機に乗りたくなる。そこで各社から出されたアドオンソフトを次々と買い込んでしまったが、どうも商売ッ気ばかり優先された商品が多くて残念ながら満足できるものはひとつも無かった。

だれか旧日本軍をベースとした太平洋戦線版を作る奴はいないのかあ!と気をもんでいたら、なんとビルゲイツが俺がやるというてくれたようで、コンバットフライトシミュレータの続編は太平洋戦線が舞台との情報が!うひょぉ〜!ついに日本軍機が自分の手で操縦できるのだ。ワクワクドキドキで発売前にすでに妄想で頭がいっぱい、興奮する毎日であった。

CFS2の登場でさらにオタクは加速















































Microsoft Combat Flight Simulator 2CFS第二段として発売されたコンバットフライトシミュレータ2の舞台は待ちに待った太平洋戦線。海のむこうの人が作成しただけにオープニングの日本の風景がどうみても中国とごっちゃになっているじゃないか。くぅ〜日本人のまともな監修者はおらんかったのかいっ!


さらにこれは致命的なミスだとおもうが日本の零式艦上戦闘機のコックピットの7.7mm機銃機銃の装填レバーの位置が逆なのだ。
おいおい、そりゃねーよ。(がっくり)さらにいうとなんで真珠湾攻撃がないのか!という点とサイパン戦いで終わるんだよーという不満。あともうひとつの不満は無線の音声だ。アメリカ風のせりふを日本語に直しただけじゃねーの。帝国海軍軍人は「ボロボロだあ」なんて言わないちゅうの。第一無線がへぼすぎて使えないちゅうの。どうせやるのなら無線は雑音だらけで、「ワレ被弾」とかもうすこしそれっぽく仕上げてほしかったなあ。まあ、不満を先に述べてしまったが、CFS1のアドオンがいまいちだっただけに今回のCFS2はかなり遊べる、いや真剣になる!

当時住んでいた神戸の緯度経度を入力して本土防空戦をしてみた。瀬戸内海がまるで南の島のように青い(笑)。また六甲山らしき山並みはあるが、神戸の町は見当たらない(笑)
神戸上空を飛行中の愛機

坂井三郎の「大空のサムライ」を読み返しながら、ガタルカナル島での彼の詳細な戦闘の様子や硫黄島で敵戦闘機に包囲されながらも左に左にかわしてついに生還した操縦法、だれでも研究するとおもうが、左ひねりこみは本当にCFS2で再現できるのかを必死になって取り組んでいた。(結局再現できず)


20mmは装弾数が少ないので、書籍に書いてあるとおり、パイロットの白目が見えるくらいを意識して接近し撃つしか術がない。最初は慣れずに心配のごとく撃ちまくってあっという間に使い果たし、7.7mmのみで戦う心細さといったらもうお腹と操縦桿をにぎる手が汗ばむばかり。1プレイ終わるとどっと疲れる毎日だった。

日本軍機は零戦と紫電改しか搭乗することが出来ないが、AI機(操縦の出来ない飛行機)を飛べるようにし、さらにコックピットを作成しているお方や機体そのものを製作している人のサイトでさまざまなパーツを仕入れてカスタマイズして楽しんだ。

これは空母から発艦した99式艦上爆撃機(通称:99艦爆)


目標めがけて投弾に入るところ。この後、対空砲火で被弾、自爆(T_T)


97艦攻で雷撃もやったが、「奇跡の雷撃隊」の文中にあるような高度5mの雷撃をしても発射直前に対空砲火で打ち落とされるパターンが続出し、あらためて雷撃の難しさを感じた次第。また、日本軍機は撃たれると火をすぐ噴くのも再現されていて、一度F6Fに乗ってガタルカナル攻撃の99艦爆を攻撃してみたが、がゲーム終了後の悲しくなるくらいの弱さ。(T_T)感情移入してしまうので以後はすべて日本軍パイロットとして搭乗し、戦うことにしたのだ。

リアリティー75%、機銃命中率35%の腕でキャンペーンを戦ったが、最後のサイパン島のシーンだけはなんどやってもクリアできず、最後はリアリティーを55%くらいに下げてようやく生還した程度のしょぼい腕前。(汗)


当初は意識して、その後は無意識のうちに封じ込めていたミリタリーオタクの自分。CFSとの出会いは「やっぱり好きなんだ・・・」と自分を見直すきっかけとなった。好きなものはやっぱりいくつになっても好きなのだ。
いよいよ、そのときは近づいてきた。
 
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